社内SE(システムエンジニア)とは、企業内部で情報システムを設計・構築・運用する技術者のことを指します。社内SEの役割は、企業が保有する情報システムを適切に構築・運用し、ビジネスの生産性向上やセキュリティ強化などの目的を達成することにあります。

社内SEの業務範囲が非常に広いがゆえにどれくらいの規模のチームを編成する必要があるのかが分かりにくいことに加えて昨今の熾烈な採用競争により技術者の確保も難しい状況です。

 

そこで本記事では、社内SEの適正人数をどのように考えるべきかをまとめてみたいと思います。

社内SEの必要性

昨今のDX(デジタルトランスフォーメーション)の波も相まって社内SEの必要性は増すばかりですが、改めて以下にまとめてみます。

 

ビジネスの効率化

情報システムはビジネスの生産性を高めるために必要不可欠なツールです。社内SEは、情報システムを適切に設計・構築・運用することで、業務プロセスを効率化し、ビジネスの生産性を向上させます。

セキュリティ強化

情報システムには企業の貴重な情報が含まれているため、情報セキュリティの確保が求められます。社内SEは、情報システムの適切な運用やセキュリティ対策を行い、情報漏えいやサイバー攻撃などのセキュリティリスクを最小限に抑えます。

リスクマネジメント

情報システムは、障害や故障が発生する可能性があります。社内SEは、情報システムの監視・メンテナンスを行い、障害や故障を早期に発見し、適切な対処を行うことで、リスクを最小限に抑えます。

ビジネス戦略の実現

情報システムは、ビジネス戦略の実現に大きな役割を果たします。社内SEは、ビジネス戦略に沿った情報システムの開発・運用を行い、ビジネス目標の達成に貢献します。

 

以上のように、社内SEは企業にとって不可欠な存在になっています。情報システムの適切な構築・運用によって、企業の生産性向上やセキュリティ強化、リスクマネジメント、ビジネス戦略の実現など、多くのメリットが得られます。

社内SEチームの構成要素

一般的に社内SEチームの構成要素は以下のようになると考えます。

 

チームリーダー

社内SEチームの中心的存在であり、プロジェクトの計画や進捗管理、チームメンバーの指導などを担当します。加えて企業の戦略や目標に合わせた情報システムの開発や運用をリードする責任があります。

システムアーキテクト

情報システムの設計や構築を担当する技術者です。システム全体の設計やアーキテクチャの構築、技術選定などを行い、システムの高い品質や信頼性を確保します。

プログラマー

システムアーキテクトが設計した情報システムを実装する技術者です。実際にはプログラミング言語を使って、システムの各機能を開発し、バグの修正や改修なども行います。

ネットワークエンジニア

情報システムの利用に必要なネットワークの設計や構築を担当する技術者です。その後の運用においてはネットワークのトラブルシューティングや改善も行い、情報システムの高い可用性やパフォーマンスを確保します。

セキュリティエンジニア

情報セキュリティに関する深い知識を有し、情報システムのセキュリティ対策を担当する技術者です。情報セキュリティポリシーの策定や改善、脆弱性の診断や対策などを行い、情報システムのセキュリティを確保します。

ヘルプデスクエンジニア

情報システムを利用するユーザーからの問い合わせやトラブル対応を担当する技術者です。問題解決のためのヒントやアドバイスを提供し、ユーザーのサポートを行います。

 

残念ながら、極少数で社内SEチームが編成されており、これらの要素を兼任している企業が多くみられるのが実情です。

社内SEチームの適正人数の算出方法

社内SEチームの適正人数を算出するには、以下のような手順があります。

 

情報システムの規模を把握する

まずは、企業が保有する情報システムの規模の全容を把握する必要があります。情報システムの規模は、利用するアプリケーションやサービス、ネットワーク構成、ユーザー数、データ量などによって変化します。

情報システムの種類を分類する

次に、企業が保有する情報システムを種類ごとに分類します。たとえば、ERPシステム、CRMシステム、ウェブサイト、インフラストラクチャなどの種類ごとに分類することができます。

各種類の情報システムに必要な技術者の役割を洗い出す

分類した情報システムの種類ごとに、必要な人員数を算出します。たとえば、ERPシステムに必要な役割としては、プログラマーやシステムアーキテクト、データベースエンジニアなどが挙げられます。

人員数の合算と余裕を考慮する

各種類の情報システムに必要な人員数を合算し、さらに余裕を考慮して人員数を調整します。余裕を考慮することで、人員不足や急なトラブルなどに対応するための余地が生まれます。

人員数の定期的な見直し

適正人数は、企業の経営戦略や情報システムの変化によって変動するため、定期的な見直しが必要です。情報システムの変化に応じて、必要な人員数を見直し、適正人数を維持する必要があります。

 

以上のような手順で、社内SEチームの適正人数を算出することができます。ただし、企業によっては、適正人数を算出する際に独自の方法を採用することもあります。

 

人員配置が不十分な場合に生じる問題点

社内SEチームの人員配置において、人員不足が致命的な問題を引き起こすことになります。以下に、それぞれの問題点について説明します。

 

業務の遅延や品質低下

人員不足によって、業務の遅延や品質低下が生じることがあります。必要な業務がこなせないため、納期が遅れたり、品質が低下したりといった生産部門への影響も避けられません。

メンバーの負担増大

人員不足によって、メンバーの負担が増大することがあります。業務量が多くなるため、ストレスや疲労がたまり、メンバーの健康に影響を及ぼすことがあります。

業務のバックログの増大

人員不足によって、業務のバックログが増大することがあります。必要な業務がこなせないため、業務の積み残しが発生し、バックログが膨らんでしまうことがあります。

 

以上のように、社内SEの適切な人員配置が重要であることがわかります。適正な人員配置を維持することで、効率的な業務遂行が可能になるだけでなく、ビジネスの効率維持にも大きな役割を担います。

まとめ

社内SEチームの適正人数は、企業にとって非常に重要な要素です。人員不足によって業務の遅延や品質低下が生じ、企業の競争力低下につながる可能性があります。

適正な人員配置を行うことで、業務の効率化やコスト削減、品質の向上、メンバーのモチベーション向上など、多くのメリットがあります。これらのメリットを享受することで、企業は競争力を高め、持続的な成長を実現することができます。

 

社内SEチームの適正人数を算出するためには、業務内容や規模、業界の特性、企業の成長戦略などを考慮する必要があります。ただし、算出方法には一定の限界があり、適正人数を維持するためには、人員配置の見直しや定期的な評価が必要となります。

適正な人員配置を維持することは、企業の経営戦略にとっても非常に重要です。人員配置の見直しや評価を通じて、より効率的かつ効果的な業務運営を目指し、企業の成長戦略を実現するための強力なツールとなります。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

少しでも参考になれば嬉しいです。

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