


デジタルトランスフォーメーション(DX)の流行に付随して、ITリテラシーという言葉もよく耳にするようになってきました。
次々導入されるデジタルツールを従業員が難なく使いこなせなければ、宝の持ち腐れになってしまい、下手をすれば事業改革はおろか事業そのものの停滞にも繋がり兼ねません。
そのためにもITリテラシーの向上は各企業において大きな課題になっています。
そこで本記事では、ITリテラシーの向上に必要なことを提言したいと思います。
ITリテラシーとは
結局のところITリテラシーって何なのという話ですが、2018年にIPAが定めた「ITリテラシースタンダード」の内容によると、以下を意味するそうです。
”社会におけるIT分野での事象や情報等を正しく理解し、関係者とコミュニケートして、業務等を効率的・効果的に利用・推進できるための知識、技能、活用力”
結局のところITリテラシーって何なのという話です。
要するにITに関する会話が成立して、ITを業務として活用出来るかどうかということだと理解しています。
ITリテラシーのベース
更に要約すれば、IT用語を知っている、デジタルツールの操作が出来る、デジタルデバイス(パソコンやスマホ)に慣れている、ということが基準になっているということです。
ITリテラシーを向上させるための策として、研修受講とIT資格の学習が最も取り上げられますが、IT用語の理解はともかくデジタルツールの操作やデジタルデバイスの慣れは机上では得られないスキルだと思います。
では、ITリテラシーのベースがどこにあるかと言えば、幼少期の段階からいかにITに触れてきたかということに尽きます。
パソコンが普及しワープロや表計算が主流になった時代には、当時の年配者のほとんどが取り残されてしまいました。それ以降もパソコンが一家に一台から一人一台にまで広がっていって、今となってはパソコンが使えないとままならない仕事がほとんどになってしまっています。
裏を返せば、パソコンが普及した後に生まれた人たちは当たり前のようにパソコンに触れて育ってきているため、パソコンの使い方が全く分からないという人はかなり少なくなっています。
これもまた、一昔前のITリテラシーだと思います。
昨今求められるITリテラシーは、パソコンは使えて当たり前でパソコンの画面上で動作するデジタルツールを支障なく操作出来るかどうか、それらを活用して滞りなく業務を遂行出来るかどうかというところです。
デジタルツールの進歩は早く、初見のものでもどんどん使いこなしていかなければならず、パソコンが使えるか使えないかの時代と比べると更にハードルが上がっているように思います。
ITリテラシーの向上
各企業がデジタルツールの導入を推し進めると同時に従業員のITリテラシー向上に向けた取り組みを強化されている話をよく耳にします。
実施しないより実施するに越したことはありません。しかし、何事も新しいことを習得して活用出来るようになるには、ベースが整っていることを前提に、何よりこれから学ぶ新しいことに興味が持てていなければ進むものも進みません。
当然ながら、ベースが弱く習得も進まない人は一定数発生しますし、パソコンが登場した頃と同様に取り残されていくものと想定されます。
幼少期に戻ってベースを立て直すことは不可能です。もちろん残念ながら取り残されてしまった人を淘汰することなど出来ません。
新しいものを取り入れる際には、時間とコストを惜しみなく費やして、実務を通じた手厚いサポートを一人一人に施していくことが、ITリテラシーの向上に繋がっていくのではと思います。
まとめ
デジタルトランスフォーメーションの波が押し寄せることによって、非IT人材と呼ばれる方々にまでITの知識を求められるようになりました。
強い言葉で言うなら、ビジネスパーソンとしての生き残りを左右する重要な時期に差し掛かっていると思います。
と同時に少子高齢化により働き手が減少していく今の時代に大切な従業員を手放すことは出来ません。
働き方改革も然ることながら、企業と従業員、従業員同士が助け合いながら業務を遂行出来る文化を形成することが重要な課題になっているような気がします。
ITに関するどんな疑問にもお応えします。